文字通りこんな苦労をしても、無駄だったお話、
右下7番の近心根に何やらあります(黄色の矢印)。これを除去するのは、普通は無理です。根尖に病巣もあり(緑矢印)、痛みがあるようなので、この痛みをとるためには、
- 素直に抜歯
- いったん抜歯して口の外で歯の先をお掃除して埋め戻す(意図的再植といいます)
- かなり困難ですが歯の中からの除去
の3つの方法があると思います。今回は2番が正解かなと思うのですが、外科的なことはどうしてもいやらしいので、しかたなく3番:口腔内からの除去を選択しました。できなかったらあきらめてもらうと、十分言ったつもりなんですが、、
で術前の歯の様子がこれ(下段左)と、向かって右のほうのガッターパーチャーを除去していきます。大体CTで深さもわかるのでどんどん除去です。下段中央の写真は治療2日目の写真です、向かって右に何やら光るものが見えます(青矢印)、見えてしまえば後はなんとかなりますね、確認のレントゲンをとって、あとは後日もっとお掃除をして(たぶん根管は曲がっているのでかなりきちんとお掃除が必要なのですが)と思ったら痛みが止まったのかこの後来院していただけません、このあとの、清掃と拡大、根管充填がより大切なんですが、このまま、放置ではより悪くなります。文字どおり苦労がそのまま無駄になりました。あ~しかしこんなに深い場所にあり、かつ下顎の7番なのでかなり困難症例なんだが、ここまでやらせてほっとくというのは、、、複雑な気分です。
なんか最近、困った人が増えたような気がしますのでこんな文を作りました。保険診療の中での顕微鏡歯科はいろんな意味で困難なので、このような方が増えるようななら、色々考えなければなりません。