大臼歯分岐部におけるマイクロスケーリング

大臼歯の分岐部のスケーリングは非常に困難です。たとえオープンフラップしたとしてもその解剖学的形態から困難です。分岐部をスケーリングの困難さについては色々文献がありますが、その結果を裸眼で判定した場合、マイクロ下で判定した場合では大きなさがでるのではないだろうか?裸眼で歯石がとれたと思っていても。マイクロ下ではそうでもなかったりします。下の動画は上顎の6および7をマイクロ下にてスケーリングしている動画です。周囲の歯石除去はあらかじめ衛生士さんにしてもらってます。裸眼では困難な分岐部のスケーリングをマイクロ下で行っています。

根管治療右下7、マイクロスコープ

SONY DSCマイクロスコープを使うと、はっきりとものが観察できます。真ん中のピンク色に見えるものが、ガッターパーチャーと呼ばれる根充材です。面白いことに、この症例では、一般的な歯と頬舌側が反対でしたが、マイクロスコープを使用しての根管治療でしたので、自信をもって処置が行えました。

中心結節

 

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歯の中心になにか見えますね?

これは中心結節といわれるもので、歯の形態異常のひとつとされ、初発部位は下顎第二小臼歯です。1~4%程度の頻度で現れるらしいです。

この結節自体は特に悪いものではなく、問題ないのですが、形態的に折れやすいことが問題です。
(タブレットで描くのは初めてなので少々変なのはゆるしてね)とりあえず、歯の絵を描いてみました、これは中心結節のない一般的な下顎第二小臼歯の絵です。(つもりです)

歯の中心にある赤いところは歯の神経で歯髄とよばれます。

 

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さて、中心結節がある場合は、そのツノの中心に神経が存在することがあります。

 もし、中心結節が折れてしまった場合、その中には神経が走行していますのでそこから容易に感染します。

感染した後は、痛みがでるかもしれませんし、出なくても早々に神経は壊死してしまうので、歯の神経をとる処置が必ず必要になります。

 また、もし、中心結節の存在を本人、周りの人が知らなかった場合を想像してみてください。歯は痛いんだけど外からは、結節が折れることにより、普通の外観の歯が、言い換えるなら一見して健康に見える歯があることになります。何で痛いのかなぜ処置が必要なのか理解不能な状態に陥ると思います。