タイトルにも書いてありますが、テフロンテープ テクニックで、レジン充填を行ってみました。このテクニックはポーランドの歯科医師により紹介されたものですが、
いままでのどんな材料よりもうまく、きれいにレジン充填ができます〜〜
広島県福山市の歯科医院
タイトルにも書いてありますが、テフロンテープ テクニックで、レジン充填を行ってみました。このテクニックはポーランドの歯科医師により紹介されたものですが、
いままでのどんな材料よりもうまく、きれいにレジン充填ができます〜〜
2級のレジン充填システムとしては、V3システムを使用していたのですがどうもうまくいかないこともありました。うまくいかないのは、大体決まっていて、
ちなみに、歯の周りにある金属の薄い板がマトリックスで、この場合は向かって右側の適合が若干甘いと思います。適合の判定はできればマイクロ下でしないと、思わぬところで隙間はできていることが多いです。裸眼とか、拡大鏡では危険です。(裸眼や拡大鏡なら素直にメタルインレーにしましょう。)
とにかく、マトリックスがきちんと歯肉縁下にはいって、隣接面の凹凸にフィットすれば2級レジン充填は概ねうまくいくと思います。そんな、悩みを解決してくれるのがGarrison DentalのComposi-Tight 3D Clear System Kitです。マトリックスが透明で特に歯肉縁近くで3次元的な形をしているので、問題の1番すなわち:歯肉縁下にマトリックスが挿入しやすいです。ただ、メタルと違って柔らかいのでそれなりの欠点もありますが、、、、これはまたどこかで
次に問題の2番目ですがこれはウエッジです。ウエッジにはこれまたいろんな種類があってまた、その素材も様々です。共通しているのは、歯間に入れるために断面が三角形になっていることです。これを適切なサイズを選択して入れるのがとても大変だし、大体このウエッジのカーブと歯のカーブがあっていないことが多い。しかしながら右に示した3D Fusion Wedges はギザギザがついていて、抜けにくく、しかも微妙なカーブにもフィットします。これは、いいものだ!!!
Minimal Intervention(MI)という言葉があります。日本語に訳すると”最小の侵襲”という意味です。 今までの歯科治療は虫歯を治すために健全な歯質も削除しないといけませんでした。言い返すなら小さな虫歯を治すためにそれ以上の健全歯質を削除することが常でした。削除が大きく広くなると当然、2次カリエス、脱離および破折等のリスクも増えることになります。そこで、できるだけMIな治療を目指そうとなったのですが、それなりの道具がないとできません。
上の動画は、顕微鏡下で、一番極細のタービンを使用し、う蝕を除去するのは先が0.4mmのレーザーチップを使用し、う蝕以外の歯質の削除を回避しています。
3月という年度末、また、新学期への準備のためか、この季節、若い人を診ることが多い。若い人で、う蝕ではないけども、今後う蝕になりそうな永久歯に対する処置としてシーラントがあります。
永久歯の溝に汚れがつまっています。汚れは結構頑固で取れにくいものです、探針(細い針のような道具)でかきとっても、溝が狭く深いので、きっちりと汚れは取れません。とれるようならそもそもシーラントをする意味もないかもしれません。教科書的には 1ラバーダム 2:機械的清掃 3:化学的清掃を行うのですが実際はそこまで行えないことも多いのではないでしょうか?
顕微鏡下でみると、探針でこそぎ落とせるものでもないし、一番細いバーでも結構太いものです。
なんとか、この汚れを確実に除去し、できれば健康な歯質を削らない方法はないものかと考えてみました。
そこで、Er:YAG レーザーの出番です。出力を上げすぎないように、顕微鏡下で、裂溝を清掃していきます。どうしても、周囲の健康なエナメル質はレーザーによってエッチングされますが、シーラントやレジン充填であれば、充填の前に歯面処理(酸エッチング)を行うことが前提ですので、無問題です。できるだけ、レーザーの出力をしぼり、ゆっくりと動かすのがいいようです、顕微鏡下では汚れが確実に除去でき、裂溝の深部まで観察できます。
その後、通法通り、酸処理してシーラントを行います、顕微鏡下では、確実に防湿できているなら、シーラント材が裂溝に浸透する様子が、確実にわかりますし、気泡の混入も防げます。
マイクロ下でのレジン充填です。今回は特に審美的に行いました。
コンポジットレジンも保険のものでもいいものがあり、2〜3色使用し、形態を整えます。
マイクロ下で、歯肉圧排を行い、より完全なう蝕の除去をおこない、充填を行いました。
場所によっては、隣在歯をプロテクトしたり、バックウオールの使用とかを行います。
丸で囲んだところが、新しくレジン充填を行ったところです。(写真自体は一番上のものと変わりません。)
V3 とか書くと なんか叫びたくなりますが、ちょっと違う。
症例のお話、先ずマイクロ下できちんと齲蝕を除去しました。ラバーダム使用するか迷ったのですが、あえてしてません。
V3システムを装着。
色がへんなのはフィルターかけてます。
その後、レジン充填
よく見かけられる、充填物(ここではレジン)の変色、着色です。”虫歯ですか?”とよく尋ねられますが、厳密には虫歯ではないと思います。虫歯は歯が細菌により溶かされるのですが、これは充填体とその表面性状もしくは接着界面の劣化です。これを、”やり直す必要があるか?”と聞かれると、”審美的要求があれば”とお答えしてます。
古い充填物を除去して、再充填をおこないました。
充填前に象牙質接着材(クリアフィルメガボンド)で歯面処理を行い、その後、微細凹凸を処理するためとオペーク効果のためにエステライトフロークイック(AO3)を一層塗布しました。その後、エステライトΣクイックのA3とB1を用いて充填を行いました。
これは、商品名”パナビア”というレジンセメントと歯質の接着界面の電子顕微鏡像です。
歯科治療で材料を使わないことはないので、材料の進歩が治療成績に直結すると言っても過言ではありません。レジンセメントが開発されたからこそ、実現できた治療法もあります。また、従来のセメントでなく歯質接着性セメントを用いることで、詰め物が外れにくくなる、長持ちするといったメリットがあります。しかしながらきちんと”接着”という現象を理解しないとこれほど危険な材料もありません。いろんな、勉強会、セミナーおよびホームページを見て、”歯質ー接着”について”む~~”とおもったこともありますので、ここでチマチマ書いていこうと思いました。
ちなみに、写真の黄色の矢印で示したのは”樹脂含浸層 – Hybrid Layer”とよばれる層で歯質接着を発現すると考えられているものです。