大臼歯分岐部におけるマイクロスケーリング

大臼歯の分岐部のスケーリングは非常に困難です。たとえオープンフラップしたとしてもその解剖学的形態から困難です。分岐部をスケーリングの困難さについては色々文献がありますが、その結果を裸眼で判定した場合、マイクロ下で判定した場合では大きなさがでるのではないだろうか?裸眼で歯石がとれたと思っていても。マイクロ下ではそうでもなかったりします。下の動画は上顎の6および7をマイクロ下にてスケーリングしている動画です。周囲の歯石除去はあらかじめ衛生士さんにしてもらってます。裸眼では困難な分岐部のスケーリングをマイクロ下で行っています。

マイクロスコープ下でのウルトラソニックインスツルメーション2

その1の動画を見ながら、器具のハンドリング、到達性がいまいちなので反省しました。なので、機具を買い直してさらに、修練をつみました

あとはスケーラーの出力が安定してくれれば、いいんだが、メーカーに一度修理というかチェックにだしたのだが、問題ないと帰ってきた。セナ足のように足先はけいれん気味です。超音波スケーラーはNSK推奨ですね

マイクロスコープ下でのウルトラソニックインスツルメーション1

カタカナばかりのタイトルですが、漢字で書くと”歯科用顕微鏡下での超音波スケーリング”となるでしょうか。歯を抜歯する理由として歯槽膿漏があるのですが、具体的に歯槽膿を止めるためには、歯を支えている組織の崩壊をコントロールする。そのためには組織に炎症をもたらしている要素の排除が必要なのですが、その要素の一つに歯にこびりついている歯石があります。これがかなり困難です!衛生士さんのための歯石除去とかSRPの講座の本をみてみると、とにかく見えないので手指感覚でとかかいてあるけど、まあでかいの歯石は取れても細かなものは取れてないと思うんだが、、、特に顕微鏡下で歯を観察すると思う。

今は、歯科用顕微鏡、防滴ミラー、超音波スケーラーの3種がそろってきたので、このような複雑な部位のスケーリングもできるようになりました。

プロバイオティクス

img_20160718_090941プロバイオティクス=”腸管常在菌の細菌叢バランスを改善することにより動物に有益な効果をもたらす生きた微生物”という概念は古くからあるようなのですが、特にお年寄りや子供さんなどには有効で、また抗生剤が使いにくい場合にはとくに有効なようです。右にあるのはある病院での掲示物ですが、ヤクルトによるプロバイオティクスセラピーの例です。免疫力を増強するために、毎朝一本ヤクルトを飲むそうです。その費用は病院で負担していただけるとのこと。大きな病院ですから効能等が十分にあると考えられての導入なのでしょう。

すばらしい~~~

オーラル プロバイオティクス セラピー

なにかと話題になるプロバイオティクスです。プロバイオティクスとは”腸管常在菌の細菌叢バランスを改善することにより動物に有益な効果をもたらす生きた微生物”(1989,Fuller)と定義されています。有名なところではビフィズス菌とかブルガリア菌が知られています(グリコと明治のリンクに飛びます)。このようなプロバイオティクスを使った治療を”プロバイオティクスセラピー”といいます。

ところで、最近気がついたのですが、かみ合わせが悪い人、歯槽膿漏がある人など口腔にトラブルのある方には同時に便秘がちだったり、下痢しがちだったりとお腹の調子も悪い方が多いように感じました。これは当然で口腔内の細菌叢は、胃や腸の細菌叢の形成に大きくかかわっているからです(口は胃や腸の入り口ですからね)。言葉をかえると口腔内に悪玉菌の細菌が多い人は胃腸にも悪玉菌の細菌が多いわけです。となると抗生剤を服用すると歯周病も治り、胃腸の調子もよくなりそうですよね??けれどもそうはうまくいきません。

img_20160921_165114口腔内でいえば、歯周病原因菌やう蝕病原菌をブラッシングや抗生剤で減らし、一時的に細菌量を減らしたとしても必ずもとに戻ります。また、抗生剤の安易な使用(乱用)は避けるべきです(MRSAなどの耐性菌の発生などの問題から)。そのような意味から症状のない歯周病菌に対して抗生剤を大量に、長期に服用するような治療は慎むべきだと思います。もしものときに抗生剤が効かないとなったら大変でしょ?もしもの時に使用するのが抗生剤でしょ??

では、どうしたらよいのでしょうか?? そこで”オーラル プロバイオティクス セラピー”です。

写真にだしたBioGaia社による製品である”プロデンティス”には”L.ロイテリ菌”が含まれており、歯周病やう蝕の予防効果が期待できます。ライオンからも”歯科用オーラルヘルスタブレット”がでておりこれには乳酸菌[TI2711](乳酸菌LS1)が含まれています。主に”L.ロイテリ菌”はスーパー プロバイオティクスとでもいうか、口腔内だけでなく、胃腸に作用して、下痢、ピロリ菌およびアレルギーなど様々な範囲に効果があるといわれています。それに対して乳酸菌TI2711は口腔内から分離されたプロバイオティクスで、口臭や歯周病予防に効果があるといわれています。

最初に口腔内の細菌を減らすために衛生士さんに、メンテナンスをしてもらい、口腔内の総細菌数を減らします。そこでプロバイオティクスを服用していただいて、悪玉菌の増殖を抑えます。それにより、歯周病やう蝕の予防を目指します。また、腸内細菌を整えることにより様々な恩恵が受けられると思います。

 

Er:YAGレーザーによる歯石除去

Er:YAGレーザーによる歯石取り(練習)動画です。

今までの、スケーラーとか超音波チップによる接触型(いわゆる ひっかく)と違い、非接触で歯石が取れて行きます。この非接触で取っていくため、歯に負担をかけない、スメアー層ができない、など様々なメリットが生まれます。特に再生治療には威力を発揮します。

Er:YAGレーザーの基礎と臨床

歯周治療・インプラント治療におけるEr:YAGレーザーの使い方

Er: Yag Laser-Is It Effective for Treatment of Chronic Periodontitis?

 

反対咬合の治療

術前
術前
術前

 

最近のお子さんは、歯の萠出がやや早いように思います。萠出が早いということは、言い換えるなら、顎骨の成長が充分でないのに、歯が生えてくるということ。萠出に際して、位置が異常な場合がありますが、放置できないのは上顎の歯が下顎の歯の後ろに生えてくることです。(いわゆる反対咬合)

できればこのような場合は、矯正を行いたいところです。写真の子供さんもこの後すぐに矯正装置を入れさせてもらいました。やや、深めに咬合するまでつけてもらいました。きれいになって、めでたし、めでたし。まあ、この矯正が成功するのは、タイミングが一番重要です。萠出の方向が危ない時にそれを修正するように装置をいれることが、すべてのような気がします。ということで、保護者の方の気付きもしくは毎月のメインテナンスが重要です。

DSC_3004
術後

 

シーラント

シーラントを行っている動画を作って、YouTubeにアップしてみました。

シーラントとは、萠出したての永久歯に対して、小窩裂溝のう触を予防するために行う処置です。

シーラントのリスクとして、脱離(いろんな報告がありますが、3年で4割という報告もある)とそれに伴う2次カリエスがあると思いますが、Er:YAGレーザーで小窩裂溝にある汚れもしくはカリエスを蒸散することで、無駄な歯質の削除をさけつつ、シーラントの効果を上げることができると思います。

シーラント using Er:YAG laser

術前
術前

 

3月という年度末、また、新学期への準備のためか、この季節、若い人を診ることが多い。若い人で、う蝕ではないけども、今後う蝕になりそうな永久歯に対する処置としてシーラントがあります。

永久歯の溝に汚れがつまっています。汚れは結構頑固で取れにくいものです、探針(細い針のような道具)でかきとっても、溝が狭く深いので、きっちりと汚れは取れません。とれるようならそもそもシーラントをする意味もないかもしれません。教科書的には 1ラバーダム 2:機械的清掃 3:化学的清掃を行うのですが実際はそこまで行えないことも多いのではないでしょうか?

スライド2
探針とMIバーでの清掃?

顕微鏡下でみると、探針でこそぎ落とせるものでもないし、一番細いバーでも結構太いものです。

なんとか、この汚れを確実に除去し、できれば健康な歯質を削らない方法はないものかと考えてみました。

そこで、Er:YAG レーザーの出番です。出力を上げすぎないように、顕微鏡下で、裂溝を清掃していきます。どうしても、周囲の健康なエナメル質はレーザーによってエッチングされますが、シーラントやレジン充填であれば、充填の前にスライド3歯面処理(酸エッチング)を行うことが前提ですので、無問題です。できるだけ、レーザーの出力をしぼり、ゆっくりと動かすのがいいようです、顕微鏡下では汚れが確実に除去でき、裂溝の深部まで観察できます。

その後、通法通り、酸処理してシーラントを行います、顕微鏡下では、確実に防湿できているなら、シーラント材が裂溝に浸透する様子が、確実にわかりますし、気泡の混入も防げます。

スライド4

 

 

 

イエテボリ テクニック

イエテボリ テクニック という歯磨き方法があります。  フッ素入り歯磨きの効果を、虫歯予防効果を最大限に引き出そうとするものです。

  1. 歯磨きは1日2回(データー的に2回以上に意味がないらしい)
  2. 歯磨き粉は子供は0.5g、 大人は1.5g
  3. ブラッシングは2分
  4. 水は10ccほどですすぐ とゆうよりペーストを口の中にしみわたらせる。
  5. その後 2時間はうがいとか飲食を控える。

 

まあ、このテクニックはお口の中のフッ素濃度を長く保つことがミソなのでしょうか?

実践するとわかりますが、歯磨き粉の量が多いわりにすすぎの水の量はすくなく、市販の歯磨き粉で行うと余りにさわやかで、、、、就寝前に行うと寝れないかも?

ということでより実践的に  Check-Up gel(ライオン)をお勧めします。img035

img036img038

よく読むとイエテボリテクニックとよく似ていると思います。狙いは一緒でしょう。これだと特に子供の場合、味もきつくなくすすんでブラッシングができるようになると思いますし、フッ素濃度もきちんとそれように考えられているのでお勧めです。