最近、投稿が少ないとのことで、たまにはメインテナンスもかねて投稿です。
この一年で新型コロナのことで大変な一年でした。しかしながら、これを機会に感染対策を充実させることにより、患者さんの、スタッフの、術者の健康をさらに安全に守ることができるようになったのではないかと思います。
さて、今回のねたは右の写真です。これ一枚に3Dプリンター、個人トレー、サージカルガイド等のいろんな要素が詰め込まれてますが。個々の説明はまた後日。
広島県福山市の歯科医院
外傷により歯が折れたり、脱落した場合はとにかく早く歯医者に行ってくださいというお話。
右上1番が完全破折している。H14/11
自転車でこけて、右上一番が完全破折している。CTで見てもデンタルX線でみても、かなり絶望的な感じ。外傷歯の分類とかガイドラインを確認すると固定と経過観察が基本らしいが、ここまで完全破折していると、厳しい気もするが。
固定直後、右上2から左上2までをしっかりと固定し、歯には余分な矯正力をかけないようにした
H15/1 受傷より2か月後 特に痛みもなく、やや破折部が薄くなった気もする??
H17/8 4年後破折部は明らかに不透明感がましてきている。根尖にも透過像等認めず経過良好と思われる
H19/3 破折部もほぼ目立たなくなり、とてもよい。いわれなかったら、破折した歯とはとても思えない。自然の治癒力とは何てすばらしいのでしょうか。
とにかく、早く受診してもらって、速攻での固定が良かった。もう考える余裕すらなかったが、固定して本当に良かった。
右下の7番のカリエスで、他院よりの依頼です。また、6番にも大きな病巣が見られます。パノラマX線でここまで明瞭に見られるのは珍しいんではないかと思います。7番については、根管がかなり曲がってますが、最初の段階からきちんとすれば大丈夫そうです。ただし、湿潤麻酔が奏功するか心配でした。そこで、患者さんには予め下顎孔伝達麻酔を行う旨を説明させて頂いて、処置にとりかかりました。けれども、伝達麻酔でも歯の神経の除痛は完全ではなかったため、湿潤麻酔、および髄腔内麻酔を併用しました。(麻酔のフルコースです。)これで、麻酔が十分に奏効したので抜髄を行いました。最初の08ファイルで十分に時間をかけたので、1時間30分ぐらいはかかりました。根管が長く、また根尖での湾曲も強かったので#25番までの拡大として、後日根管充填しました。根管充填の際も、湿潤麻酔、ラバーダムを行ってからの処置だったので1時間ぐらいかかったかな?もう少しストレートラインアクセスを大きくしても良かったかもです。遠心根が太く見えますが、これは根が扁平だからです。 下の7番の抜髄は疲れる〜〜ですね。さて、7番が終わったら今度は6番です。根管を開けてみると近親頬側根からの排膿が激しかったのでここが、原因根と考え治療を開始しました。かなり、若い頃に抜髄をしたのか、今度は#40のリーマーもするする入っていきます。拡大もしっかりして、今回は根管洗浄を十分に行っての根管充填です。根管充填の方法はCWCTです。若干シーラーがはみ出てますが、特に問題はありません。この後は、紹介元の先生にしていただくようにお話しました。
CTを撮らせていただくと、思いがけないものが映ることが多々ある。特に上顎の6番ではある。この歯に根尖病巣があると、歯の症状はなくとも鼻に症状が出ることがおおく、鼻炎が引かないとかの、上顎洞炎の原因となる(歯性上顎洞炎)。この場合、抗生剤も一時的なもので、あまり効果もないことが多く、原因が歯の場合は原因歯の治療が一番効果だとおもわれます。(原因を叩かずして治るはずがない)
しかしながらこのあたりの治療は診断から治療まですべてが困難です。